NETS(熱・換気回路網モデル計算プログラム)

自然の力を巧みに利用する省エネ・省資源で健康的な建築の開発・設計を支援します
 
 
 建築物を設計する際、人に優しくかつ自然にも優しい環境を効率よく作り出すことができる『環境共生型』の建物が必要とされる時代となりました。従来、居住者や執務者に良好な環境を提供するには、空調設備などの能力増強にたよってきましたが、これでは省エネは達成できません。そこで、設備だけではなく、建物自体に十分工夫を加えることにより、快適な空気質や温冷感環境、結露対策、そして環境調和の実現ができるようになります。このような建物自体への工夫を行うには、建物全体を対象とする総合的な予測計算モデルが必要となりますが、従来の計算モデルでは建物の一部分のみを対象とし、実用的ではありませんでした。そこで、建物全体を連立方程式モデルとして捉える「熱・換気回路網モデル」を開発しました。建物を、「熱、換気、ガス流動の回路網モデル」とし、予測計算、システム同定、そして最適設計するシステムです。これにより、設備だけを工夫するのではなく、建物自体をどのように工夫すれば良いかが明確となるため、対策効果を相乗的に高めることができます。

 建築設計事務所、施工会社、建築コンサルタント、大学などにおいて省エネ・省資源的かつ健康的な建築物の研究開発・設計を目指している多くの皆様、ぜひNETSをご活用ください。

▲NETSイメージ

 
 

熱・換気回路網モデルによるシミュレーションプログラムNETSの特徴は以下の3つです。

@エキスパート向けの研究開発ツールとして最適
  従来にない建築的工夫でも、お絵かき感覚でモデル化できるプリプロセッサNETSGENと、計算結果も図形的に表示できるポストプロセッサNETSOUTが装備されている他、CSV出力し、市販の表計算ソフトでも処理できます。


A汎用的な方程式により自由なモデル化が可能で、実用的で安定した解法
  建物の用途、形状に関わりなく自由にモデル化、またシステム全体を重視した総合的かつ実用的なモデル化ができ、実際に起こる様々な変化を想定でき現実に近い予測が可能です。

 
B多くの適用実績
  日射、外気温、湿度、外風や蒸発冷却など自然エネルギーを建築計画的に利用する付設温室、自然換気、屋根散水、屋上緑化や躯体的蓄熱などに関する多くの適用実績があります。


 
 

熱・換気回路網モデルによって予測計算、現場測定、最適化の3つのプログラムファミリーを構成しています。

@建築伝熱・換気予測計算プログラムNETS(Networt Model Simulation Program)
  建築伝熱・換気シミュレーションプログラムNETS本体は、計算モデル構築用のプリプロセッサNETSGENと、計算結果の数値的・図形的出力をするポストプロセッサのNETSOUTを備えています。

 
A熱回路網のシステム同定プログラムSPID(System Parameter Identification Program)
  熱回路網モデルやガス流動回路網モデルの各種のパラメータを、温度変化やガス濃度変化の現場測定からシステム同定するプログラムで、多数室換気測定システム等に使われます。

 
Bエネルギー供給と温湿度の最適化プログラムSOCS(Systematic Optimizing Control Strategy)
  建物と設備を含めた冷暖房システムにおいて、省エネルギー、省エクセルギー(*)や温冷感に関して、最適の熱供給と最適の温度や湿度などの状態を決定します。
 
(*エクセルギーとは質も考慮したエネルギーの量を意味します。例えば、同じ熱量の冷/温水でも、外気温度との差が大きい冷/温水の方が大きなエクセルギー量となります。)
 
 

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